【読書】私の読書遍歴(6)敗戦直後の雑誌2件

●『リーダース ダイジェスト』

 終戦直後の昭和20年後半から21年にかけて、神戸灘区の「古本屋」を手伝いながら、姫路の兵庫工専に通っていた頃、アメリカ生まれの『リーダーズ ダイジェスト』が1046年(昭和21年)6月、月刊誌として発刊されました。アメリカを含む「自由世界の香り」が漂っていました。内容は「他の雑誌から転載された要約記事、オリジナルの記事、本の抜粋、ジョーク集、逸話、引用、その他の短い記事」小説や娯楽雑誌しか読んでいなかった私には、とても新鮮でした。

 写真はその第1巻
リーダーズ創刊号.jpg

 目次が不鮮明なので下記に示します。
(国立国会図書館デジタルコレクション より)
・ 丸太小屋の手術 / フレデリック・ルーミス/1
・ 世界は一家、各國は家族――チャテレーン誌 / レベッカ・ウェスト/6
・ 忘れ得ぬ人々 / マーク・A・ローズ/11
・ アメリカ生活さまざま / 各地よりの投稿/19
・ ソ聯人との協調問題 / J・P・マッキヴオイ/22
・ 若きフォードの冐險――タイム誌 //28
・ 原子爆彈以上の發明藥――レデス・ホーム・ジヤナル誌 / ウィリアム L ローレンス/33
・ アメリカよ、さらば!――土曜文學評論誌 / ハンス・ベンディックス/37
・ 資本主義の三種 / エリック・ジョンストン/41
・ 健忘症の一得 / オーデル・シェパード/47
・ ダーウィン自身の進化 / ドナルド・C・ピアテイ/50
・ DDTとは何か――ボルモチア・サン紙 / ルイス・マトックス・ミラー/57
・ 午後十一時三十一分 / ジャック・フォスター/61
・ マーガレット・オブライエン――ライフ誌 / ノーエル・F・ブッシュ/64
・ 動物も考へ得るか / アラン・デボー/68
・ 靑年よ、自らの主人たれ / ウィリアム・ベントン/71
・ フランス新革命 / アンドレ・ヴィソン/76
・ 日本の葛米國にはびこる / ラッセル ロード/80
・ 盲人の心境 / アリス・ブレッツ/84
・ 生れ出る子供について / アムラム シャインフェルド/88
・ トルーマン大統領は直面す――フォーチュン誌 //90
・ イランをめぐる英ソ關係 / アンドレ ヴィソン/95
・ 平和の解剖學 / エメリー・リーヴス/99

「アメリカ生活さまざま」「DDTとは何か」「イランをめぐる英ソ關係」などと話題は生活から国際政治まで幅広く、平易な文章で綴られていましたので、3年間ぐらいは毎号買っていたと思います。

●石丸梧平『人生創造』

 同じ頃「新刊店」の店先で見つけたのが、石丸梧平の個人雑誌「人生創造」でした。大正時代からの歴史のあるモノだった様ですが、私にとっは初の出会い。「青年よ二十才にして哲人たれ。自由とは悟達の生活である……」と人生創造哲学を説き、真の人間的な生き方を探求した梧平の言葉は感動的でした。

 写真は当時のモノが見当たらず、昭和12年12月号のものです。
人生創造.jpg

人生創造目次.jpg

 出会いは、昭和21年、年齢19歳、青春まっただ中、敗戦直後の「思想的混乱」の中で、「考えること」「哲学すること」に目覚めかけた時期でした。石丸梧平著の「人間親鸞」は入手できませんでしたが、記事に触発されて、倉田百三「出家とその弟子」、吉川英治「親鸞」全2巻などを読みました。

◎梧平語録:

青年よ二十歳にして哲人たれ、自由とは梧達の生活にある
人生は創造的情熱で開拓すべきです
人生は何事もやってみないとわからないものです
平素の生活から意味を発見することです
知ることの深さは、愛することへの道
生きることこそそれみずからが芸術である
人生は最大の創作である
人生に結論なし、ただ創造の一途あるのみ
人生は喜び生きることです、悔いのない人生にすることです
今日を精一杯生きて、今日一日を悔いのないように過ごすことです

 石丸梧平の「人生創造哲学」は仏教哲学の上にたち「諸行無常」「色即是空」を悟り、人生を「創造的意欲」をもって実践していこうとの提唱と受け取りました。戦時中は「忠君愛国」「滅私奉公」で、未だ思想的に幼かった私は「哲学」することはなかったように思います。今でも「創造こそ生活」といった「信条」を持っていますが、この時に「たたき込まれた」モノかも知れません。

 またこの頃の経験として思い出されるのが、「西洋哲学概論」なる本を求めて神戸市長田区の古本屋で、現金に米3合添えて、購入した記憶があります。この頃は「貴重な本」は現金だけでなく「米」との交換という、異常な商交換システムでした。昭和21年の頃です。

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この記事へのコメント

いばっくま
2019年09月02日 11:19
ブログ拝読しました。
石丸梧平 語録すばらしい。感動しました。
書かれている言葉、内容、胸にしみるものがあり、心に刻み込んでおきたいとおもいます。
今後の私の人生訓としてたいせつにしたいとおもいます。
大変ありがとうございました。
ろまねこ
2019年09月02日 22:00
いばっくまさん:コメントありがとうございました。
若き日を思い出して、ネットで調べて息子さん(石丸元康)の書かれた「石丸梧平創造語録ー幸福の実現」という本をアマゾンで古本で見つけ、購入して、少しその中から選び出して見ました。言葉とも「一期一会」の「出会い」ですね。

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