【読書】私の読書遍歴(2)講談本

 昭和一桁代は「円本」の時代でした。「現代文学」「大衆文学」「世界文学」「児童物」「個人全集」などが1冊1円という「安価」で提供されました。それがまた「我が家」のような「お風呂屋さん」の近くの「古本屋」の棚を埋め飾りました。(小学生全集などは35銭)

 数ある全集物の中で、ひときは「大衆読み物」であった「講談本」を思い出しています。江戸時代から「太平記よみ」といわれた「講釈師」よって語られた数々の物語を「口述筆記」したものが始まりと言われますが、「文学小説」でなく「草双紙・読み物」として親しみやすい内容のものです。

 これは「講談博物誌:新島広一郎著」に詳しく解説されておりますが、ここでは私の記憶をなぞって見たいと思います。

 一番安いのが「ゾッキ本(古本・古書市場にて極めて安い価格で売られる本)」の「豆本」でした。文庫サイズの「講談物」で、確か1冊5銭位(昭和8〜12年)でした。紙質も悪く、1cm位の厚みがありました。私の当時の認識としては、大正時代に出版された「立川文庫」を種にした本と思っていましたが、尻切れトンボのモノがあったりしましたが、ホントに安いので、暇つぶし用に結構売れたものです。「忍者モノ」などが好評。挿絵はイメージです。
豆本.jpg

 最初の円本「講談全集」は「大日本雄辯會講談社」からの(昭和3〜4年)全12巻もの。サイズは四六版(127×188mm)ですが、厚みが常識外の厚さ、約6cm位あり、ハードカバーでグリーンの布張り。
講談全集第1巻.jpg

 ごついモノでしたが、「赤穂義士義士本傳、外伝、銘々伝」が1冊にまとめられ、総ルビで読みやすいモノでした。その後「グレイ」の表装の「評判講談全集」(昭和5〜6年) 全15巻も「講談社」からの円本です。
評判講談全集.jpg

 これらに続いて「少年少女教育講談全集」12巻、定価80銭が、やはり「講談社」から出版されました。挿絵の通り全巻同じ「波千鳥の太陽」の装丁は、とても懐かしいです。
教育講談全集.jpg

 この後登場してきたのが「少年講談」全49巻です。(1931年〜1939年)大日本雄辯會講談社 定価80銭〜90銭。

 今考えると、これは「昭和一桁代」の私達にとって「常識を広める」「正義感・勇気・愛情・人情・愛国心などを育む」ベースになったと思われます。私にとってもこれらは何度か読み返した記憶があり、他の「古本屋」から買って読んだ程、のめり込んだシリーズです。

1.塚原卜伝:剣聖。宮本武蔵との「鍋蓋試合」。
2.近藤勇:幕末新選組隊長。
3.左甚五郎:江戸時代の名工。「日光東照宮眠り猫」他。
4.笹野権三郎:槍の名人。諸国漫遊。仇討ち。
5.孫悟空:三藏法師の「西遊記」。同僚に猪八戒、沙悟浄。
6.堀部安兵衛:赤穂義士の一人。「高田の馬場の仇討ち」。
7.塙団右衛門:豪傑。諸国漫遊。大阪夏の陣で討死。
8.由井正雪:江戸時代前期の軍学者。慶安の変首謀者。門人に丸橋忠弥。
9.山中鹿之助:戦国時代の武将。
10.弥次喜多道中記:江戸後期の十返舎一九の滑稽本:東海道中膝栗毛。
11.岩見重太郎:豪傑。天の橋立の仇討。ヒヒ退治。大阪夏の陣で討死。
12.寛永三馬術:曲垣(まがき)平九郎,向井蔵人,筑紫市兵衛。
13.里見八犬伝:江戸時代後期の曲亭馬琴(滝沢馬琴)の大長編読物。
14.太閤秀吉:水呑百姓の小倅から関白太政大臣にまで出世物語。
15.水戸黄門:徳川御三家の水戸光圀公の世直し行脚。助さん格さん。
少年講談水戸黄門.jpg

16.柳生十兵衛:将軍家指南役柳生但馬守の長男、密命を帯び諸国漫遊。
17.荒木又右衛門:柳生流の達人。伊賀上野の仇討ち。
18.一休和尚:室町時代の臨済宗の僧一休宗純の頓智物語。
19.猿飛佐助:真田(幸村)十勇士の一人。忍術使い。
20.田宮坊太郎 :「金比羅利正記」として有名な仇討ち物語。
21.雷電為右衛門:江戸時代の力士大関。横綱谷風や小野川より強し。
22.梁川庄八:豪傑。父の仇討ち。諸国漫遊。大阪冬の陣参戦。
23.大石良雄:赤穂義士の頭領。
24.大久保彦左衛門:徳川三代に仕えた旗本。「天下のご意見番」。
25.曽呂利新左衛門:太閤秀吉のお側衆。鞘師。希代の頓智者。
26.大岡越前守:江戸南町奉行。数々の名裁き。
27.侠勇一心太助:江戸の仁侠児。回り魚屋。大久保彦左衛門と昵懇。
28.霧隠才蔵:猿飛佐助並び称される忍術使い。
29.寛永御前試合:全国から参集した名人達人が将軍家の御前で勝負。
少年講談寛永御前試合.jpg

30.元和三勇士:義兄弟の三豪傑、戸田、石川、田宮。
31.真田幸村:名軍師幸村が、紀州九度山蟄居後の活躍物語。
32.清水次郎長:幕末の侠客。広沢虎造浪曲「子分森の石松」が有名。
33.粂平内:柳生流の達人。
34.宮本武蔵:二刀流の剣客。「佐々木小次郎との巌流島の決闘」。
35.後藤又兵衛:豪傑。諸国漫遊。大阪夏の陣で活躍。
36.曾我兄弟:「富士の裾野の仇討」。五郎、十郎の兄弟。
37.三家三勇士:御三家の義兄弟、和田、和佐、星野の物語。
38.松平長七郎:駿河大納言忠長の長男、家光の甥。諸国漫遊。
39.三好清海入道:真田十勇士の一人。
40.紀国屋文左衛門:豪商。紀州から蜜柑船を江戸へ。出世物語。
41.戸沢白雲斎:甲賀流忍術の総本家。
42.関口弥太郎:柔術の達人。武者修行。仇討ち。
43.荒川熊蔵:豪傑。加藤清正の家臣。諸国漫遊。
44.蜀山人:江戸後期天明期の文人・狂歌師、御家人。
45.鎮西八郎為朝:源氏の源為義の息子。弓の名人。
46.赤穂義士銘々伝:四十七士、それぞれの逸話。
47.桂川力蔵:力士出世物語。「成田利正記」。
48.幡随院長兵衛:江戸の侠客。旗本水野十郎左衛門との対決。
49.百々地三太夫:伊賀流忍術の総本家。

 戦後も、昭和23年頃からボツボツ「講談本」が復刊されたようですが。丁度そのころ「新刊貸本店」に鞍替えしていた「我が家の店頭」では「当時の新刊評判小説」を中心に「平凡」「明星」などの月刊大衆誌や「漫画」に注力していて「講談本」はやや時代遅れのおもむきで、取り扱った覚えはありませんでした。買って読んだ覚えもありません。

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 0

この記事へのコメント

プロフィール

ニックネーム:
ろまねこ
性別:
出身地:
神戸
居住地:
藤井寺
趣味:
スケッチ、水彩、
読者メッセージを送る